2018.12.08公開

アオクサカメムシ

農園のナス果実に針をぷすぷす刺したようなくぼみがついていることがあります。文字通り針で刺された跡で,カメムシによる吸汁の痕跡です。

8月になると,農園にアオクサカメムシが増えてきます(写真1)。広食性のカメムシで,水稲(アオクサカメムシは斑点米カメムシの一種)やダイズ,果菜類など色々な作物の農業害虫です。

農園ではトウモロコシとナスで特に多く見かけます。幼虫は脱皮するたび模様を変え(写真2~5),ピンク色の模様はなかなか綺麗。卵は6角形に整然と並びます(写真6)。トウモロコシについたカメムシは苞葉の上から吸汁して粒を褐変させてしまいます。甘くて美味しいトウモロコシ,虫にとっても美味しいようです。ヒトも食べたかった。

アオクサカメムシとよく似たカメムシに,生息域を北進拡大中のミナミアオカメムシがいます。京都府下で初めて発生が確認されたのは2010年とのこと。農園のカメムシを写した写真にも,ミナミアオカメムシっぽいのが写っていました(写真7)。生息地の競合などにより,ミナミアオカメムシが増えるとアオクサカメムシは減るとか。いつか,あの夏にはまだアオクサカメムシがいた,と思い出すようになるのでしょうか。

分布域を拡大しているカメムシといえば,キマダラカメムシにも学内で遭遇するようになりました。農園のオリーブに産み付けられた綺麗な緑色の卵(写真8),何が出てくるのかしらとワクワク待っていたところ,ハッチを開けて出てきたのがキマダラカメムシでした。

写真1 トウモロコシの葉のアオクサカメムシ成虫 この年は播種時期をずらして2回トウモロコシを栽培し,1回目は虫害も少なく,甘くて美味しいトウモロコシを収穫できました。2回目はカメムシ多発。タイミングによって随分違います。

写真2 トウモロコシのアオクサカメムシ(たぶん)の終齢幼虫。ピンクの模様。

写真3 トウモロコシにいた幼虫。

写真4 ナスの上のアオクサカメムシかミナミアオカメムシの幼虫。別途紹介しているホオズキカメムシは茎葉にいて果実には見かけないのですが,アオクサカメムシは実にもいます。

写真5 万願寺唐辛子の蕾のアオクサカメムシかミナミアオカメムシの幼虫。

写真6 ナス葉裏のカメムシのっぽい卵

写真7 ジャガイモの葉のミナミアオカメムシっぽいカメムシ(5月)

写真8 オリーブの葉に産み付けられた何かの卵

写真9 カメムシでした。卵12個,幼虫12匹。寄生されず無事孵化したようです。 

(写真1~6は2016年,写真7,8は2017年撮影)